PRIDE.32 REAL DEAL

●オープニング★★★
あれが5億円かかっているそうです。もしあのオープニングだけで本当に5億円かかっているとしたら、ぶっちゃけぼったくられてませんか、DSEさん?


●第1試合 ○ロビー・ローラー vs ジョーイ・ヴィラセニョール×(1R TKO)★★★
第1試合らしい派手な幕開けでしたが、ヴィラセニョールは完全に圧力負けしてましたね。それだけローラーの圧力が強かったということなんでしょうが、ヴィラセニョールも良い選手なのでまた使ってほしいですね。


●第2試合 ○中村和裕 vs トラヴィスガルブレイス×(2R TKO)★★
当たり前のことですがガルブレイスの状態の悪さが気になりました。ただ顔もイケメンで絞って80kg前後まで体重が落とせる選手なのでウェルター級の方で使ってあげてほしいですね。カズは勝って当たり前の選手に多少苦戦しましたが、一部で「ピコピコパウンド」と称されたダメージが与えられないパウンドでのTKO勝利(どうみてもガルブレイスのスタミナ切れで何の反応も出来なくなってるだけでしたが)。次戦には繋がりましたが、また強豪と戦うと積極性が無くなってしまうんでしょうねえ。あとカズの「アイ・ラブ〜」シリーズは恥ずかしいのでもう結構です。


●第3試合 ○フィル・バローニ vs 西島洋介×(1R キムラロック)★
試合を止められた西島が「決まってない!」とアピールしてましたが、じゃあそこから何が出来るんだと聞かれれば西島では何も出来ないし実際何もしていなかった訳で、レフェリーストップは妥当な判断であった言えるでしょう。ただ「男なら立って戦え」と言い続けたバローニが開始早々テイクダウンというのはやはりどうなんでしょうねー。「みんなー!このあとパーティ開くから来てくれよー!(UFCアメリカ人選手はみんな試合後パーティを開く)」なんて浮かれてる場合じゃないと思うんですが。「試合に勝つ」ことより「良い試合をする」ことを重視するPRIDEという場に上がる以上、それなりの覚悟が必要なのではないかと思われます。


●第4試合 ○ダン・ヘンダーソン vs ヴィクトー・ベウフォート×(3R 判定)★★★
減量しないダンヘンが凄いのか、調子を落としているヴィクトーが駄目なのか、柔術マスターを相手にあそこまで何もさせないダンヘンが凄いのか、オリンピックレスラーの猛攻を防いだヴィクトーが凄いのかよく分かりません。しかし思ったより差が出た戦いでした(戦前はヴィクトー有利と思っていたのですが)。やはりダンヘンウェルター級で戦うときは減量が上手くいっていないのかもしれません。ちなみにヴィクトーが2年ぶりのアメリカ復帰ってストライクフォースアリスター・オーフレイムと戦った試合はどうなっているんですかね?


●第5試合 ○バタービーン vs ショーン・オヘア×(1R TKO)★
ある意味「これもPRIDEだ!」という試合でしたね。入場時から退場時まで終始憮然とした表情のオヘアの心中察するに余りあります(だったら出るなよとも思いますが)。それはともかくバタービーンには初勝利おめでとうと言いたいです。


●第6試合 ○ジョシュ・バーネット vs パウエル・ナツラ×(2R アンクルホールド)★★★
ナツラ強いですねー。ジョシュが本調子でなかったことを差し引いてもナツラの強さが目立ちました。元々ポジショニングにはあまりこだわらないジョシュだけに、テイクダウンは奪われるだろうなとは思っていましたが、、簡単にテイクダウンしていましたね。気になったのは1Rにサイドポジションからナツラが攻めていたのにUFCでも裁いている黒人レフェリー(名前ど忘れ)がブレイクで立たせてしまった点。さすがにあれは無いんじゃないかなと思いました。それと1R終了時の膝十字。あれでナツラはかなり痛がっていましたね。2Rのタップアウトの伏線になっていたかもしれません。まあどちらにしてもヘビー級に新たな強豪(5分だけの)が登場ということで楽しみになってきました。ジョシュは男祭りを回避して少し休んでほしいものです。


●第7試合 ○マウリシオ・ショーグン vs ケビン・ランデルマン×(1R 膝十字固め)★★★★
個人的には大傑作の試合でした。膝→ヒール→膝と、ひたすらランデルマンの足を固めるショーグンに対して、まるで歌舞伎役者のようにキメキメの表情で耐えるランデルマン。MMAとしての見せ場は皆無だったにもかかわらず、非常に見せ場だらけの凄い試合でした。解説の高阪剛がひたすら「早く抜け出した方が良いですね……」と心配しているのも笑いました。


●第8試合 ○エメリヤーエンコ・ヒョードル vs マーク・コールマン×(2R 腕十字固め)★★★★★
こちらもまた大傑作の試合でしたね。我々ファンが「こうなるだろう」という予想通りの試合展開。確かに選手としてのレベルは天と地ほどの差(いや、そんなに無いか)はあっても、一点突破を計ろうと皇帝の片脚にしがみつき続けるコールマンの姿は圧巻。ついにテイクダウンに成功した瞬間はさすがに声をあげてしまいました。その後の攻撃がいただけなかったんですが、それでもエンディング後のベタな娘との抱擁、娘たちにヒョードルに挨拶をさせる微笑ましいシーン、そして「試合じゃ一発も殴れなかったから一発入れさせろよ」とヒョードルを小突く(しかも二回)シーンも含めてコールマン劇場最高でした。


●大会全体★★★
どの試合も継続した線ではなく、あくまでもアメリカ大会第1回目。それなりに派手な試合が多かったんですが、感慨深くなったり大きな感動を呼ぶような試合はありませんでした。次回大会で例えばランデルマンの巻き返しがあったりといったアメリカ大会ならではの展開があってほしいですね。それからリング上で挨拶をした各日本人選手。海外生活のあるマッハの英語もあの程度だったというのも驚きでしたが、ブラジル人選手がそうだったように無理に出来ない英語で喋るより、正々堂々自国語で挨拶をすれば良かったのにと思います。あれじゃまるで媚びてるようですよ。
そして早速PRIDE.32が2月24日にトーマス&マックセンターでおこなわれることが発表になりました。
http://www.prideofficial.com/free/ticket/pride33.html
これで榊原信行社長が語っていた「アメリカでの年4〜5回の興行」は現実味を帯びてきましたが、逆に「日本での興行の回数は減らさない」はちょっとうそ臭くなってきましたね。


スカパー!アメリカのFSN★★★
会場の音声レベルが大きくなったり小さくなったりというのが気になりました。あと個人的にはUFCでやるような観客の色っぽいおねーちゃんを抜くのはいらないんじゃないですかね?UFCの観客より女性ファンのレベルは低かったですし(あくまでも見た目のレベルで僕の個人的な好みもありますが)。全体的には及第点だったと思います。ただ次回からは日本の実況陣はきちんとアメリカに行って実況していただきたいです。


http://www.prideofficial.com/free/result/event/1156045266.html