PRIDE.34および今後のPRIDEについての榊原信行社長が語る

「ほぼ、いろんなカードがまとまってきました。PRIDEはアメリカにばかり力を入れてるんじゃないかというファンの声がちらほらと届いていますが、日本が生んだPRIDEですから軸足をしっかりして、10〜20年先を目指すため日本の熱を取り戻せるように頑張っていきたい」

日本の熱が冷めてきていることを感じているのでしょうか。カードがまとまっているのなら発表を早くしてほしいのですが。

残りのカードについては、この他に5〜6試合を1週間〜10日間の内に発表していきたいとのことだ。
そして、榊原代表は会見終了後、囲み取材を受け、次のように語っている。
「今年はPRIDE10周年ということで、ひとつの区切りになる。10年間を彷彿させるカードを組んでいきたい。今回はヘビーとミドル級のカードを中心にして、ウェルターを1〜2試合くらい。ライト級は青木君だけになるかな」と、5月下旬の『PRIDEライト級GP開幕戦』がライト級一色になることを考慮して、バランスを考えてマッチメイクするという。

だったらライト級戦線の目玉となる青木も出す必要は無いんじゃないかと。

ラスベガス大会終了後は、衝撃の大番狂わせとなった五味隆典ニック・ディアスの参戦を4月に組むことも匂わせていたが、「五味君は出ません」と断言。「五味君とはライト級GPに照準を合わせようという話をしています。ディアスも怪我をしているので、5月から出られるのかも微妙。GPの中で組まれなければ、年内にタイトルマッチでもいいと思う」と年内での決着戦という方針は変わらないようだ。

GPが行われるなら最悪男祭りまでタイトルマッチは行われないという可能性が大きく、またGPの中で五味が敗れるようなことがあれば五味を倒した選手とディアスのどちらが挑戦者に相応しいのかという問題も起きてきます。

5月下旬の開催を予定している『PRIDEライト級GP』に関しては、「16人に絞り込むのが大変」と嬉しい悲鳴を挙げ、「世界最強を決めると銘打ち、遜色のないメンバーを集めます。PRIDEに上がったことがなくても、ファンから“そいつならいいよね”と思われる選手にも何人かあたっています。今の時点で発表は出来ませんが、5月下旬に向けて新しい選手、話題性のある選手と交渉をしています。16人が全員PRIDEで活躍している中からの選抜ではなく、外部の組織で実績をあげている選手も含めての16人になるでしょう」と、隠し玉がいることも明らかにした。日本人に関しては、5〜6人が候補になるという。

これは非常に良いニュースですね。UFCがまだ力を入れていないライト級は比較的安価に優良な選手がPRIDEに集まるでしょう。ただUFCジェンス・パルヴァーを取られ、Bodogイーブス・エドワーズを取られているのはやはり痛い。
日本人は五味、桜井速人、青木、川尻達也石田光洋が当確となると入ってもあと1人だけ。PRIDE参戦経験者でこのメンバーに入っても見劣りしない実績を持っているのは今成正和くらいですが、今成は-65kgなのでこの中に入れるのはちょっと厳しいですよね。
対する海外勢はヨアキム・ハンセンギルバート・メレンデスマーカス・アウレリオルイス・ブスカペあたりが当確でしょうか。それにシュートボクセ枠から誰か一人(ルイス・アゼレードはちょっと株を落としすぎていますかね)。あと個人的にはエルメス・フランカメルビン・ギラードUFC勢やジョシュ・トムソン、ドゥウェイン・ラドウィッグのストライクフォース勢(はぐれUFC勢とも言う)にも是非参加してもらいたいですね。

年頭の記者会見で、ナンバーシリーズでは毎回タイトルマッチを行うとの発表もあったが、「まだ確定していません。僕らはウェルター級のタイトルマッチを考えていたんですが、ダンが怪我をしていることもあって組むのは難しい感じです」と今大会ではなさそうな雰囲気。

4階級しかない中で2階級王者がいて、さらにライト級GPも行われるのであれば毎興行タイトルマッチを行うなど無理でしょうし、根本的にUFCのようにシステマティックにタイトルマッチをメインカードに据えた興行数を中期的に構成し、チャンピオンを適正な契約で拘束していなければ不可能でしょう。

一部で噂となっていた4・29ラスベガス大会中止の件については「いい意味での延期」と明言した。「調整をしていたんですが、2月の大会があれだけの成功に終わって、2ヵ月しかない中で1回目と2回目を超える大会をやれるだろうか?ということと、予定していたメインカードが組めなくなったこともあって日程を変更しました。次のアメリカは6月末にカリフォルニア、ラスベガスとニュージャージーなど年内に3〜4大会をやっていきたい。代わりに6月上旬に日本でナンバーシリーズである『PRIDE.35』を挟むかもしれません」と年間スケジュールを再調整、軌道修正するという。

無計画に興行本数を増やすのは反対なのでラスベガス大会が無くなることは賛成ですが、一度やると言った興行を中止するのはイベント会社としては「いい意味で」なんてことを言っても大きなマイナスでしょう。その代わりに日本でPRIDE.35をやるなんてのは苦し紛れでしかなく、あまり得策とは思えません。

同じく、ロシアでの他団体のイベントに出場が噂されているヒョードルについては、「ヒョードル担当交渉スタッフがロシアに飛んでいます。最終的にそのことの状況確認を含めて話し合いに行っています。その結果次第だと思う。ただ、ヒョードルとは1月に会った時に“ロシアで試合がしたい。PRIDEが来てくれるならそれでいいが、それが叶わないならM-1でロシアで試合をやってみたい”と聞いています。契約では認めていませんが、話し合いはします。ヒョードルの凱旋試合がメインで、ロシアでPRIDEを開催するのもない話ではないですからね。話し合いの結果は、ここ1週間くらいで出て来ると思います」としている。

まあこれは流石にBodogに出場はするでしょう。ただこれが契約違反による強行出場ならば、DSEはたとえPRIDEの至宝であるヘビー級チャンピオンが相手だとしても毅然とした対応を取るべきだと思います。弱みにつけ込まれるようなことは今後に悪い影響を与え続けます。

今回開催まであと1ヶ月を切ってやっと第一弾カードが発表されました。今年こそは解消すると言っていたカード発表の遅れですが今回もそれは解消されず、こればかりは他の興行に大きく遅れをとったままです。
ぶっちゃけ、アメリカやその他の国で興行を打つには、まだまだ人員的な態勢がまったく整っていないんではないんでしょうか。ここ数年間のイケイケだったときに、映画などの横道に労力を割いていたツケがまわってきている感じもしますね。