馬鹿が戦車でやって来る(というくらいのビッグニュース)

2005年のK-1ソウル大会でレミー・ボンヤスキーのハイキックを食らってビックリし、ファイティングポーズをとらずに慌てて帰ろうとするという前代未聞の試合放棄をするなど、微笑ましい話題を提供してくれているボクシング元WBOヘビー級チャンピオンのレイ・マーサー(45)。そんなマーサーがついにMMAデビューをおこなうことが決定したそうです。

ボクシングの元WBOヘビー級王者レイ・マーサー(45)が、総合格闘技に初挑戦することが12日、分かった。トランプ・エンターテインメント・リゾーツ社が主催し、6月23日に米国ニュージャージー州アトランティックシティーで行われる大会に参戦。同じく総合格闘技初参戦となるキンボ・スライスと戦う。マーサーは過去K−1にも参戦したが、04年6月に武蔵、05年3月にボンヤスキーと連敗。新天地での飛躍を期している。(デーブ・レイブル通信員)
http://www.nikkansports.com/battle/p-bt-tp0-20070513-197974.html

このニュースで注目すべきはマーサーの対戦相手が、一時期ベアナックルMMAで大きな話題となった伝説の喧嘩屋で両刀使いのAV男優キンボ・スライスである点。そしてこの総合格闘技イベントの主催者がドナルド・トランプ(フェティータ兄弟やカルビン・エアーも真っ青の本物のセレブリティ)率いるトランプ・エンターテイメント・リゾートである点でしょう。特に後者はMMA業界にとって本当に大問題で、超正統派のUFCとPRIDEを擁するフェティータ兄弟や、金持ちの道楽と言われながらもホジャー・グレイシーエメリヤーエンコ・ヒョードルという本物中の本物を獲得することに大金を使ったBodogFightと違い、最初の大会のメイン級の試合からマーサー対キンボという話題性オンリーのイロモノカードを持ってくるその感性からして、MMAの競技化とは対局の超エンタメ路線を突き進むことが懸念され(トランプ本人もWWEに出演し、ビンス・マクマホンと代理レスラーによる髪切りマッチを楽しそうにやってました)、この超お金持ちが大混乱中のMMA業界をさらに引っかき回すことは間違いないと思われます。