改めてPRIDE復活に関して思うこと

ここ一週間くらいに発売されたNumber、格闘技通信、ゴンカク、ファイト&ライフを読んで思ったのは、やはりフェティータ兄弟にPRIDEブランドを売ったのは失敗だったのではないかということです。日本向けのメディアでは(あれでも)かなりオブラートに包んだ物言いですが、結局は「PRIDEはレギュレーションをUFCに合わせろ」ということ。また少なくともダナ・ホワイトは「PRIDEの選手」に興味はあっても「PRIDEという場」に思い入れが無いのはありありと見えますし、それはフェティータ兄弟にとっても大きな差は無いと感じます。
もちろん魑魅魍魎がうごめいていたDSEという会社からPRIDEという興行の権利を完全に買い取ってイベントとして復活させることの難しさは想像を絶するものがあると思いますし、それならPRIDEを葬り去ってその背骨である選手を根こそぎUFCに移籍させた方が断然楽な作業であるのはよく分かります。
しかしそれでは僕ら日本人のファンは了解しても了承することはできません。日本のファンはUFCを主戦場にして戦う元PRIDEの選手が観たいとはまったく思ってはいなくて、PRIDEの選手がUFCに乗り込むのを観たいはずですし、逆にUFCの強豪がPRIDEに来て戦う姿を観たいと思っているはずです。PRIDEの選手とUFCの選手が統一のルールで戦うのは観たいと思いますが、UFCルールで行われるPRIDEや、PRIDEルールで行われるUFCなんてものにはまったく興味が惹かれません。またダナの「アメリカのアスレティックコミッションの言うことを聞いてりゃいいんだよ」的な発言にはかなりカチンときましたし(MMAの知識に乏しく、ロビー活動で片方の肩を持つ不公平極まりないアスレティックコミッションを有り難がるアメリカのMMA業界には辟易しますしね)、地上波放送もPPVも無く、試合を観るには数ヶ月後にDVDを輸入するか、我が家の貧弱なネット環境でオンラインPPVを購入するか、もしくは非合法動画サイトで観るしかない状態は我慢出来ませんし、今のUFCでは今までPRIDEで味わっていたライブの楽しみはビタ一文伝わってきません。
こんなことならDSEアメリカで勝負なんてせずに、他のアジア、ヨーロッパ(現在MMAに関しては非常に厳しい態度を崩していない国が多いが)を巻き込んで、アメリカのUFCと対決してくれたなら(勝ち負けは別にして)どれだけ燃えられただろうかと思ってみたりもします。
個人的には親会社の不祥事によって消滅したGONG格闘技誌がスタッフたちが独自に版元を探してゴンカク誌として復活したように、PRIDEのスタッフたちがいつ始まるか分からない新生PRIDEから離脱して新たな興行を立ち上げてくれたら(もしくは谷川氏が最近語っているようにHERO'Sを別運営の会社にしてそれを旧PRIDEのスタッフたちが携わるようになれば)非常に面白い展開だと思うんですが。