MMA界再編の罪

マスリングによる業界再編はUFC・PRIDE連合軍とK-1・Elite XC連合軍による二極化は避けられない状況になっていますが、そんな中でPRIDE寄りと思われていたイギリスの老舗MMA興行であるCAGE RAGEが、FEGによって買収されそうになっているというニュースが飛び込んできました。
http://www.mmaweekly.com/absolutenm/templates/dailynews.asp?articleid=3670&zoneid=13
http://zenzen.jugem.jp/?eid=1117
いやー、これはまた個人的にはかなり衝撃的なニュースです。CRはチャンピオンクラスの選手は出ないものの、PRIDE、K-1UFC各興行の実力者が一同に会し、CR発の未知強も多数輩出したリングで、それでいながらスーパーヘビー級の息抜きマッチがあったり、最近ですとボブ・サップが登場したりと主催者のMMA界に対する愛情(MMA愛ではないです。もちろんMMA愛もあるとは思いますが)がヒシヒシと感じられる素晴らしい興行だと思います。そんなCRがMMA戦争の余波をうけて買収されて、現在のおもちゃ箱的な興行形態が変わってしまうのは、DVDを輸入して楽しんでいる身として非常に忍びない気持ちになります。
それにしてもこの買収がFEGにとってどのようなメリットがあるのか。CRの魅力は前述の通り様々なメジャーマットの実力者たちによるのド派手なメインイベントと、地元イギリスの強豪が競い合い、また世界へと挑戦していくシビアでありながら夢のある戦いが展開されていた点でしょう(このように国内活性化というポリシーを基盤に持つエンタメ路線の団体はほぼ皆無)。FEGによる買収によってCRの魅力はゼロになってしまう可能性すらあります。CRのアンドリュー・ギアとデビッド・オドネルには是非頑張って自主独立の道を歩んで欲しいんですが……もしかしたらサップのCR登場がパンドラの箱を開けてしまったのかもしれませんね。