シュートボクセは悪の巣窟か?

チャールズ・”クレイジーホース”・ベネットがMMA WEEKLYのネットラジオに出演し、PRIDE男祭りの舞台裏での騒動について暴露しました。
http://www.mmaweekly.com/absolutenm/templates/dailynews.asp?articleid=1594&zoneid=13
http://d.hatena.ne.jp/lutalivre/20060222#1140582162
重要部分を要約すれば、シュートボクセで修行した金子賢を完封したベネットを恨んで、シュートボクセの一部メンバーがベネットをバックステージでリンチしたという衝撃的な内容です(その後に怒ったベネットがヴァンダレイ・シウバをKOしたというヨタ話も付いてますが、これは流石にウソっぽいので置いておいて)。
先日の山本”KID”徳郁の事件といい、今回の事件といい、両方とも事実だったとすればこれは本当に由々しき事態であることは間違いありません。何度も書きますが、格闘家がリング以外の場所でその腕力をふるうことはあってはならないからです。
近年、シュートボクセは、シウバの大活躍と敵対するヒカルド・アローナの悪行三昧(笑)によるブラジリアン・トップ・チームの地位低下、そのアローナに負けた桜庭和志というPRIDE最大の功労者への接近・交流によって相対的に「いい人集団」となりつつあります。しかしそもそもシュートボクセは日本上陸以来その残虐なファイトスタイルと相まって「悪の巣窟」のような形容のされ方をしてきた集団です。シウバとアローナの因縁に関しても、両者が「喧嘩を売ってきたのはあっち」と言っていて、アローナの性悪っぷり(試合前になると髭を伸ばして目潰しに使うなど)と、人懐っこいシウバやシュートボクセの面々を知ってる格闘技ファンからすると「もしかして悪いのはアローナでは……」と勘ぐってしまっていたりもしました。しかし数々の事件がシュートボクセを中心に起こっているのを考えると、やはりシュートボクセという集団には何らかの問題があるのでは、とも思えてくるのです。
しかし僕は、一方的にシュートボクセを悪とは考えません。シュートボクセのメンバーは基本的に悪い人間ではなく、仲間をとても大事にする人たちなのですが、敵となると過剰なまでに敵愾心を燃やしてしまうという子供っぽい性質がある人たちなのではないかと考えるのです。「練習後に遊びに行く時もシュートボクセのメンバーと一緒で、それに気分を害した彼女と別れてしまった」と嬉しそうに語るマウリシオ・ショーグンのインタビューを読むと、なおさらその感を強く思います。また武道としての精神修養の側面を持つ柔術に比べ、単純に「強くなりたい」とするムエタイチームの「強くなること」への考え方の相違というのもあるのかもしれません。